小さな球場で歓声が上がる。


あたしたちは今、県大会の野球観戦に来ている。


もちろん、1年生は強制参加。



『次は2番キャッチャー常葉くん。』


常葉の打順で皆の応援が熱くなる。



「師匠!常葉先輩ですよ!!キャー!」


隣であずさが騒ぎ出す。



「おー、かっ飛ばせー。さっさとホームランで10点取って試合終わらせてくれー。」


「師匠…ホームランは最高で4点しか取れませんよ…。」


カッキーン!


まぁ、あたしの願望通り常葉はホームランを取り、4点追加。



「勝ってるんだから、もう終わりでいいじゃーん。」


大きく欠伸をするユキナが言った。



「もしかしてお二人ってってスポーツ観戦キライですか?」


メガホンを持って応援するあずさが不思議そうに聞く。