手術室は2階に存在する。

人間の生と死が混在する場所。

俺は幸い手術が必要なほどの大病を患った事がないので、手術室の世話になった事はない。

それでも、この部屋の前に立つと一種独特の雰囲気に包まれる。

緊張感か、恐怖感か。

そしてそれは、この部屋が人間の命を司る場所だからか。

それとも、ハルカが囚われているであろう場所だからか。

「……」

扉の前で深く息をする。

呼吸を整え、高まる心拍数を落ち着かせて。

「っ!」

俺は手術室の扉を開くと同時に、拳銃を両手で保持して中に飛び込んだ!