教会の横にある大きな森を抜けて、少し人通りのある道へ入る。


れんげはフェイと歩いていた。


さっきまで何も知らずに話していた相手がこの国のJだとわかり、急に黙り込む。


「気分は?空気がいいだろ」


それでもフェイは、れんげに話しかけていた。


歩いていくと、立ち並ぶ家の数が増えていき、町に入ったことを教えた。


町の人たちはみんな、れんげのいた時代の日本では見ることのない、変わった格好をしている。


強いて言えば昔のヨーロッパだろうか。


町並みもその人々によく合っていた。


「ここはセフォードという町で、中心部分にKのいる宮殿がある。


国の中心部だな。……でどうかした?」


「あのぅ…。さっきはごめんなさい。偉い方だと知らずに」


小さくなったような気持ちで、小声で言う。


「偉い?俺はただの兵だよ。


KとQと直結してるってだけで、あとは国の行政とかに首つっこんでるだけだからな」


町外れからだんだん中心に近づいているらしい。


数が増えてきた道行く人のほとんどが、横にいるJに声をかける。


「おお、フェイさん。今日もご苦労さん。あんたのおかげでこの町は平和