ケータイ小説 野いちご

天使たちの傷跡

キャバクラ



「え? そりゃ堕ろしたよぉ」


 細く隙間の開いたカーテンの向こうから、J‐POPと賑やかな声が溢れてくる。


 安っぽいソファに並ぶ、楽しそうな男たちと人工的な笑顔が一ミリも崩れない女たち。


 カーテンのこっち側はさらに質の悪いイスとテーブル。


「ま、そりゃそうだ」


 無表情な顔にくっついた唇にグロスをのせる女が、鏡から目を離さず言う。




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