弥嘉は脇目も振らずに、
正門を目指してひたすら
長い廊下を走り抜けた。

冷たい空気が鋭く弥嘉の
両頬を刺すが、彼女には
何も感じられなかった。


『壱加様っ……どうか、
どうかご無事で!!』


弥嘉は、ただ壱加の身の
安全だけを祈った。




     ***




「報告からあまり時間が
経っていないから、そう
遠くへ行けないはずだ!!
まずはA班っ!!この周辺を
汲まなく探せ!!次にB班!!
倉庫から武器一式取りに
行ってこい!!最後にC班!!
A班と常に連絡を取り合い
見つけ次第合流しろ!!」


正門の前に着くや否や、
3つのグループに分けられ
それぞれ教師から指示が
言い渡されていた。

弥嘉は初心者という配慮
によりC班に分けられた。


「見ない顔だね」


突然若い男性に話しかけ
られたため、弥嘉は声を
出せずにいた。