とある広い河原の上の橋…。
「奴がいない今、俺が潰すべき相手はお前ただ一人だ。」
影山が啓祐を怨みのこもった目で睨みつける。
下では大集団同士の抗争。
ある者は鉄パイプを、ある者は金属バットを、またある者は素手で激しく攻撃しあっている。
「………。」
自分の鼓動が激しくなるのが分かる。
あれだけ特訓を重ねてきたのに恐怖で言葉が出ない。
「オラァ!」
影山が啓祐に殴りかかる。
咄嗟に姿勢を低くしてそれをかわす。
そのまま足ばらいをした。
「っつ!………。」
影山にその足を踏み付けられた。
啓祐はその場に倒れこんだ。
影山が容赦なく踏み付ける。
いきなりむなぐらを掴み、頬を殴られた。
影山は啓祐の体を橋の手摺りに思いきりぶつけた。
「あの世で親子仲良くたわむれていやがれ!」
迫り来る影山の蹴り足に、啓祐は自分の運命を受け入れたかのように倒れ込んだままそっと目を閉じた…。