「鳴、海……さん。」





驚いた海堂社長の顔が少しマヌケに見えて、笑ってしまう。





「修一……紗衣の父親の事、聞いてくれますか?」


「……はい。」





また、真面目な表情に戻ったのを見てクスリと笑った。





「海外に行って、3年目に修一と出会ったんです。」















18歳になって数ヵ月が過ぎた。





相変わらず仕事に追われる日々で2ヶ月先を捲っても、5ヶ月先を捲ってもスケジュールはビッシリと埋まっていた。





言葉も不自由する事もなく、周りの人との人間関係もよかった。





けど、仕事が仕事なだけにストレスは溜まり、精神的にもキツい時期だった。





だからと言って弱音なんか吐けない。





仕事に行くのが苦痛に感じて、人と関わるのさえ嫌だった。





「休みを取り、リハビリするのが一番なんだが…。」


「何言ってるんですかっ!アキはずっと仕事が入ってるんですよ?休む事は無理なんです。」