「私、せめてこの恵まれたこの身を感謝しなくちゃって

いつも、幸せでいなくちゃって・・・ー」


私は堪えきれず、声を漏らした。



ジョセフが傍に立つ。


縋るように、服の袖を掴んだ。


私の頭の中は、同じ思いで溢れかえり、留まることなく流れ続けた。



「わ、私は何不自由ない生活を与えられている、

農民に比べたら、まるで天国のような場所ー

わかっているわ、頭だけではっ

でも実感できないの。

幸せなのだということを―・・・っ」


睫毛を濡らし、弱々しく声を漏らして啜り泣いた。


ジョセフの手が、私の頭を優しく撫でる。



「私は何を勉強くらいで悩んでいるのかしら
世の中には食べる事すらままならない者までいるというのに
私は幸せなのに、なんで、こんな・・・―」

自らを責める言葉しか見当たらない。


誰にも言えなかった一言一言が、堰を切って押し出される。



私、もうダメだわ・・・

ジョセフにこんな話を、姿を見せてしまったー




深淵に沈む私に、貴方は光のような言葉を発した。