『どうした?何か元気ない?』

携帯から聞こえる優しい声。



あたしはベッドに寄り掛かりながら
その声に耳を傾ける。


「…そんな事ないよ。ちょっと最近眠れなくて。」

『あぁ。そっか。まだ工事やってんの?』



立ち上がったあたしは
携帯を耳にあてたままカーテンを開いた。


「うん。まだやってる。」



窓から見える道路に
忙しく動く人の影が無数に映った。

最近、道路を舗装する為に夜中、工事が行われている。


わりかし近いその道路から
耳障りな雑音が響いてうちの家族は眠れない夜を送っていた。