55階のフロアが丸ごと吹き飛ばされたのではないか。

そう思わされるほどの爆発。

ガラス片やコンクリートの破片が爆風で飛び散る。

俺とハルカが階段を降りかけていた為に、まともに爆発の衝撃を受けずに済んだのは不幸中の幸いだった。

「は…ハルカ…大丈夫か…?」

階段を転げ落ち、強かに体を床に打ちつけ、それでも大した怪我を負う事もなく、俺はヨロヨロと立ち上がる。

「いたっ…たた…」

少し離れた所でハルカの声。

彼女も爆発時の埃と煙で髪の毛が真っ白に汚れているものの、目立った外傷はないようだった。