「ソフィア・ローゼ様、行ってらっしゃいませ!」


係員たちの見送りの声だけが私とこの世界をつなぐものだった。




この国が私にとっての全ての世界だった。


私は今まさにその世界から去ろうとしている。



何も恐くないとわかっていながらもこの世界に執着していた。






やがて出口が開く機械音がした。



いよいよだ…