「ななななな!」

家に帰った途端、ヒーちゃんの尋問が始まった。

泣きはらした顔を見て、事態は察したようだけど。

「どーゆうことよ!!連絡無しなんて!」

「・・・」

分からない。

私だって分からなかった。

「それか何かあったのかもよ?考えたくないけど事故とか・・・」

「それも考えたけど、あれだけ毎日連絡してたんだもん・・・何かあったなら私にも誰か知らせてくれるよ」


ぐずる私の髪を撫でて、少し寝なっと言う。


「一緒にいてあげようか?それとも一人になる?」


「・・・ごめんね、一人になりたい」

そう言うと、

「分かった。また明日ね?」

ぎゅっと握ってくれたヒーちゃんの手が温かくてまた涙が溢れた。

誰かに優しくされると、弱くなる。

だけど、弱くなるから人の優しさに気付けるんだ。

そしたら次は私が人に優しくなれる。


暗い部屋でうとうとしていると、部屋に灯る小さな光が見えた。


「・・・っ」

光に手を伸ばす。

手に触れたのは使い慣れたピンクの携帯で。

光るランプはある人からのメールを知らせるもの。

「・・・」


震える指で受信メールを開く。


そこにはたった一行。


【今日は本当にごめん。元気で】


引っ込んだはずの涙はあまりにも簡単に溢れて。


連絡が来て嬉しいよ、

事故じゃなかったんだね、何かあったわけじゃないんだね。

よかった・・・


なんて思える程私は大人じやない。


私、フラれちゃったんだ。


「ひっ・・・ひっく、ぅ・・・」」


終わっちゃったんだ。