〈鈴side〉
校門に向かいながら、気になっていたことを聞いてみる。
「…しっかし、
なんでのんチャンみたいないい子が、あんなろくでなしと付き合ってんの？」
のんチャンくらいかわいくておもしろい子なら、もっとまともな相手がいただろうに。
「あ、そこ聞いちゃいます？」
「聞いちゃダメなら聞かないけど…」
「いや、なんも問題ないんですけどね。」
ないんかい。
「長くなりますよ？」
「いーよ。教えて？」
部活動に励むスポーツマンたちがボールを追いかけ回している校庭を横目に、校門から出て右へ曲がる。
どうやら家の方向が同じらしい。
