「あっ!ちょっと待って」


私がいきなり叫ぶと、てっきり歌声が聞こえてくると思ってたタクミくんが


黒板から背中をズルッとさせ苦笑する。


「…何?」


「歌うよ。だけどその代わり…私の宿題やってくれる?」


「…は?」


まさか私に交換条件を出されると思ってなかったタクミくんは、あまりに突然の事にキョトンとしてる。


「だって、ワケ分かんないまま私だけしんどいもん。


歌うから…私の出す宿題、やってくれないかな」


「…あ、宿題ってそんなコト?オレ、マジの宿題かと思った。


勉強以外なら何でもやるよ~。オッケー!引き受ける」


タクミくんは、私を見てニカッと笑った。