冬城町の冬は雪深い。

山深い田舎町という事もあり、毎年冬は車が通行止めになるほどの積雪がある。

俺の勤めるスーパーも、大晦日とはいえ、訪れる客はまばら。

同じ町に住む人間のみが、年越しに足りないもの…お飾りや餅、おせちに使うかまぼこなんかを買う為に来店する程度だ。

とはいえ、勝手に見切りをつけて閉店する訳にもいかないし、閉店時間が来た後も、店の大掃除がある。

そんなこんなでオタオタしているうちに、いつの間にかこんな時間になってしまった。