ケータイ小説 野いちご

溺愛ラバーズ

LOVE.7 -想い人-

「樹さん?樹さん!大丈夫ですか?」





店を出てすぐにタクシーを拾い家に着いたが、もう限界だった。





玄関でずるずると座り込んでしまった。





起きてたのか、物音で目が覚めたのかわからないが、まりあの声と共に玄関の照明がついた。





「樹さん、立てますか?」

「ああ……。」





ゆっくりと重い体を立たせ壁を伝いながら寝室に向う。





ジャケットだけを脱ぎ捨てベッドに寝転んだ。





着替えなきゃいけない、風呂にも入らなきゃいけないが、睡魔には勝てない。





「水を持ってきましょうか?」


「いや、いい……。」





そう言うと静かに俺の部屋から出て行った。





せめて、電気は消して行って欲しかった。





けど、まりあはすぐに戻って来た。





「ここに水を置いて置きます。気持悪くなった時の為に洗面器も置いておきますね。」





返事をする気力もない俺は片手を挙げた。





「おやすみなさい。」





今度こそ電気が消え、暗闇の中眠りについた。





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