暖炉に火をくべる。ティポットの紅茶をカップに注ぎ、見知らぬ男に手渡した。

 まだフードを取らない。警戒している様子で、カップの中の液体を黒い瞳で見つめた。

「で、そのお方は?」

 長老はゆっくりと問いかける。

「……」

 カーティスは相手を安心させるように頷くと、その人物はフードを外した。

「!?」

 青みがかった金髪と、漆黒の瞳。年の頃は30代後半。

 精悍な顔立ちのその人物に、老人は目を見開いた。

「まさか! どうしてこんな処に……」
「実は、ベリルが見つけたんです」

 カーティスはそう言うと、ゆっくりと語り出した。

「旅先でこの方を見つけて丁度、俺が近くにいる事を知って俺に預けました」