「!」

 外がざわついている。長老はゆっくりと家の外に出た。

 集落の入り口にいるのは見知った顔。

「! 長老さま」
「カーティスか」

 ブラウンの髪、青い目。20代後半だ。190cmはある長身で老人に駆け寄る。

「集落が無事で良かった」
「先ほどライカも戻ってきたよ」

 長老はそう言って、彼の後ろにいる人物に目を向けた。

 マントのフードを目深(まぶか)に被っているため、どのような人物なのか窺い知れない。

 かろうじて横からこぼれる短い金髪が確認出来る程度だ。

「あ……その話は後で。ここまで来るのに疲れたので、少し休ませてもらえませんか」

「いいじゃろう。お客さんは……」
「あ、ベリルの家に案内します」

 長老が言い終わらないうちにカーティスが口を開いた。