「ふ~」

 男は長い溜息のあと、平原に散らばる岩の1つに腰掛けた。

「あ~めんどくせぇ」

 青い瞳が空を見上げる。

「大気が……揺らいでいる」

 ブラウンの髪をかき上げて、目の前に横たわる死体を一瞥した。

 2mはある鷹の胴体に人間の女の頭。ハーピーだ。

「や~まいった。こいつらには襲われたくないもんだよ」

 大した知能はなく、それほど強くもない。が、男がげんなりするのには理由がある。

 下半身は汚物にまみれ、おおよそ綺麗とはほど遠いモンスターだ。

 そして甲高いキーキー声は神経を逆なでする。

 色々な事に気を配って戦わなければならない。