少し歩くだけで薄らと汗をかく季節になった。


小野君とは決して順調とは言えないけれど、特に問題もなく平穏な日常を送っていた。


「ねぇ、アユって小野君とどこまで進んだの?」


休み時間。


突然、舞子が突拍子もない質問をあたしに投げかけた。



「どこまでっていうのは?」


「キス?それとももうエッチした?」


「ちょ……!舞子!!」


あたしは思わず窓際の席に座る小野君に視線を向けた。


……よかった。小野君……寝てる。


小野君は机に伏せて眠っているようだ。


こんな話を小野君に聞かれたら恥ずかしくて仕方ない。


あたしはホッと胸を撫で下ろしてから、話を続けた。