翌朝、ソワソワしながら教室に入ると小野君の姿は見当たらなかった。


よかった……。


あたしはホッと胸を撫で下ろしながら自分の席に向かう。



小野君は一週間のうちのほぼ大半遅刻するし、そう珍しい事ではない。


でも、昨日の一件もあり小野君と会うのは少しだけ照れ臭くて。


手を繋いで、抱き締められて、キスをして。


とにかく昨日は小野君との初めてづくしの一日で。


今思い返しても、胸がキュンキュンして全身がカーッと熱くなる。



だけど、あたしが小野君の胸を押して、小野君が眉間に皺を寄せて……


甘いひと時をあたしが台無しにしたんだった。