準備室のドアを開ける。

「失礼します」

「おはよう」

「おはようございます」

朝から彼と話せるなんて…なんてラッキーな日なんだと思う佳奈。
すると…

「昨日は悪かったな。
後片付けさせて」

と。

「いえっ、いつもの事ですし」

笑って言うと、

「お前…昨日あの後なんかあったろ?」

「え?あの後ですか?
何もないですよ」

「池田先生が言ってたぞ。
なんかあったんじゃないかって。
履歴書が書けないほど肩が上がらなかったって…」

心配そうに言ってくれる彼。
だが…

「あ、こけちゃったんですよ。
ほら、両手にモノを持ってたから、階段でずっこけちゃって…
ドジなんですよ」

笑う佳奈。

「ホントか?」

大きく頷いた時である。
準備室の入り口のドアが開いた。