時計を見ると、3時を指している。

「もうこんな時間か…
だった!会議があったんだった!
これ、後で職員室に持って来ててくれるか?
俺は行ってくる」

「あ、はい」

「すまんっ」

彼は走って準備室を出て行った。

「先生…おっちょこちょいだ。
じゃ、履歴書を先生のところに持っていこうかな」

と履歴書を鞄に入れ、クーラーを切って準備室を出た。
カギを閉めようとした時に、後ろで音が聞こえた。

彼がわすれものだろうか?

そう思い振り返った瞬間のことだった。

ドンッ

「っ…」

ドアに思い切り叩きつけられる佳奈。
後ろを振り向くと…

「絵里っ」

絵里がものすごい形相で立っている。