都内のワンルームマンションの四階の角部屋。

そこが、あたしが一人暮らしをしている場所だった。



薄暗い部屋の中で、あたしはケータイ片手にベットの側で縮こまる。


耳元では、電話のコール音が数回鳴り響いた後、少し眠そうな声が響いてきた。




「もしもし?こんな時間に珍し―――」



「どうしよー!助けて猛―っ!」




暗い雰囲気の中で、場に似合わない叫び声。


相当あたしの声が煩かったのだろうか。

猛は少し迷惑そうな声で、あたしに反論してきた。




「姉ちゃん相変わらずだよな。今何時だと思ってんだよ」



「何時って、深夜二時過ぎに決まってるじゃない!」



「こんな夜遅くに電話してくんなよ。今寝ようとしてたんだけど」



「いいじゃん!猛はどうせエロ本でも見ながら夜更かししようとしてたんでしょ?」



「バカ言うな、この変態が!」




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