刹「おっかしいなー……」

珍しく刹那が頭を抱えていた。


稀「あれ、珍しいね。刹那が悩んでるなんて」


いつの間にか部屋に入ってきていた稀琉が尋ねる。


刹「いや、麗弥がまだ帰って来なくて」


ポチャッと角砂糖を紅茶に入れながら話す。


稀「いつもの場所じゃないの?」


刹「んー…それにしては遅いなって思って」


稀「まぁ、確かに」


稀琉はちらっと時計を見た。


もう18時を過ぎている。


朝から出かけているので遅すぎるような気がした。


ロ「どうかした?」


稀「わっ!」


それこそ、いつの間にか後ろに居たロスに驚く稀琉。


稀「ロ…ロス!驚かさないでよ!」


ロ「ハハッ、こんなに簡単にバックとられるなんてまだまだだな、稀琉」


ロスは笑いながら言った。

刹「やぁ、ロス。クロムは?」


ロ「あぁ、まだ寝てるよ。相変わらず頭まですっぽり布団かけて。本当ねぼすけなんだよな、あいつ」


ふぅ、と溜め息をつきながら言った。


稀「クス、意外に可愛い所あるよね、クロムって」


稀琉もクスクス笑いながら言った。


ロ「あっ、知ってたか?稀琉。あいつ寝てる時、なんか近くにあるもの掴んだりすんだぜ?」


稀「本当に?」


ロ「マジで。しかも!たまに俺のコートガッチリ掴んで…」


バシッ!


言い終わる前に頭を殴られた。


ロ「いった!」


ク「誰がてめぇのコート掴んでるだぁ?ボケ、ロス」


またまたいつの間にか起き出して部屋に入っていたクロムがそう言った。