お花見当日の朝。
いつもより早く目覚ましをセットしたおかげで予定通り起きることが出来た。
仁に起こされてみたい願望に蓋をし、ベッドから這い出た。


『おはよう!』


味に自信が無い為、おばあちゃんも手伝ってもらう事にした。


「じゃあ、作ろうか!」


その言葉を合図にお弁当作りが始まった。
 今日はオニギリとサンドイッチを作る事になっている。文句言われたくないのもあるけど、選択肢が二つなら必ずどちらかを選ぶだろう!と勝手に判断しての事。
 その他に厚焼き卵、ベタだけどタコさんウィンナー、唐揚げ、ミートボール。それから揚げ物ついでにエビフライを入れることになった。


 その1時間後
すべての具材を重箱の二段目に詰め、一段目にはオニギリを、サンドイッチは別の容器に入れお弁当作りは終わった。
並んだお弁当に満足すると、それをバックに入れ一旦部屋に戻った。
 時刻を確かめながら、用意した普段は着ないような、真っ白なマキシワンピの上から、目に付いたパーカーを羽織った。 こんな時に、お母さんに貰った洋服が役にたつなんて…
髪をテッペンで束ね、お団子にすると、めったにつけないリップグロスをつけてみた。
 鏡に写る自分は、チークなんか塗って無いのに頬が赤かった…