「はる?」


『なに?』


「俺のどこが好き?」


『全部。』


「普通の格好して欲しいとか…」


『思いません。ってこれ言うの何回目?
仁が普通の格好してたら、私見つけられないよ
仁はそのままで充分カッコイいから』


なんて朝から、バカップル的発言をかます私の名前は桜庭葉瑠(サクラバ ハル)
そして、毎日のように同じ質問を投げかけてくるのは、私の彼氏。
緒方仁(おがたじん)


顔を前髪で隠し、黒縁メガネをかけ、少し着くずしてはいるものの、何故かキッチリして見える。
なぜこんなにもダサイ彼が私の彼氏なのか。
それは、一年前に溯る。