ドラフトも無事終わり、年が明けた一月。

暑い夏を忘れそうな程寒い日が続いてる。


「アイボン寒いー」


家ん中だけど、適当な理由をつけてアイボンにくっつく。

今日は野球部の練習も休みだし、俺も休養日にした。


「もー…仕方ないなあ」


口ではそんなこと言いながら、コテンと頭を俺の方に傾けるアイボン。

最近特に忙しくて、今日は久しぶりにゆっくりできる。




「……何かあった?」


俺はいつも通りにしてたハズ。

何でアイボンは気付くかな…?


「んー…今ちょっとへこんでる」


自分の弱さを他人には見せたくないけど、アイボンには見られてもいいかなって思う。


「二軍の練習はついていけるんだけど、やっぱ一軍はレベルが違うんだ…。レギュラーの人らは更に別格」


プロがすげぇのは分かってたけど、ここまで差があるとは思わなかった。


「で、もがけばもがく程…調子悪くなる」


がんばらねぇと!!って追い込まれると、いい結果を出せなくて。

最悪な悪循環。