「待ちたまえ! キミ!」

ウンザリする聞き覚えのある声に、アタシは深く息を吐いた後に振り返った。

そこにはやっぱりウンザリする知った顔があった。

「何よ、風紀委員長」

「昨夜、キミを見かけたよ。コンビニでバイトしてただろう?」

「それが何か? ウチの高校の校則変わって、バイトOKになったじゃない」

「問題はそこじゃない。時間の問題だ。校則では19時までならば、となっている。キミを見かけたのは20時過ぎだった」

風紀委員長…と言うのは長いので、アイツと呼ぼう。

アイツのメガネがキラッと光った。

あ~、ヤダヤダ。厄介なヤツに見られたもんだ。

「そうだったっけ? ウッカリ時間過ぎちゃってたか」

「キミは一時間もウッカリできるの?」

「しちゃったもんはしょーがない。と言うことで、サイナラ。アタシ、今日のバイト行かなきゃだから」