「雪湖ちゃんには、おじさんがいて
そのおじさんが雪湖ちゃんを
引き取って育てることになったんだ。
おじさんのこと知ってる?」


「知りません。」


「わけがあって
離れて暮らしていたみたいなんだけど
雪湖ちゃんのパパの話を聞いて
弟の子供なら引き取りたい
そう言っているんだ。」


小さい私に難しいことは
わからなかったけど

「家族ができるんだよ。」

その人の言葉に
私ははっとした・


「雪湖ちゃん、おじさんはとても
素晴らしい人のようですよ。
大きな会社の社長さんなのよ。
お金には不自由しなさそうだし
あなたはお勉強がよくできるから
上の学校にも通わせてくれるって
悪いお話ではないわよ。」



園長先生は微笑んだ。