(後に知ることになるんだが)私は薬の副作用で酷く苦しんだ。眼球運動という症状である。普通に電車をホームで待っていたりあるいはその中の中吊り広告に目がいく。キャッチコピーの文章の一説が眼に留まる。すぐさま次の違う広告に目がいく。例えば「貴方のお住まい…。」「…簡単な債務処理」つながった文章でなく、二つ三つの文節を意味なしに続けて読むことになる。すなわち、私の頭の中でつながった文章を考えるようになったのだ。「ウチは借金あったっけ?債務処理しろって?」とか意味なしの文章にあまりにも反応してしまうのが続いて、私はそれを「電波を受けている」と感じはじめた。