霊に取り憑かれたと思ったのは様々な人の声が私の頭の中を通過していったからである。声たちは私の場合、私の行動に命令したり、指示したりはしなかった。だから私は普通の人には普通に見えたはずである。ただ、それが「霊」だと思って霊媒体質になってしまったんだとはなはだ勘違いした。時には「多重人格」になったように感じて人格障害の専門クリニックを訪れたことさえあった。私は幻聴の一方でしっかり自分で考え、行動していた。