私は一度は超えたラインを半現実世界へ戻ったらしい。「電波が来ますか?」医師の問いかけがこだまする。本屋に行き、精神病の本を片っ端からめくっていった。そこで「こころの病」という辞書くらいの厚さはあるであろう一冊の本(後に私のバイブルとなるのだが)を見つけた。「精神分裂病」(現在は統合失調症)の項目にくぎ付けになった。「電波を受けているような感覚…。他人に指示されているような気分がして命令の幻聴が聞こえることがある…。霊にとり憑かれた感じがして、いわゆる“狐付き”にあったと思ってしまう…。」あ。これだ!私は精神分裂病にかかったのだ。