「はあ~」

 セシエルは部屋で1人、深い溜息を吐き出していた。

 ベッドに腰掛け、クロスボウ(ボウガン)の手入れを行っている。

 ナイトテーブルに置かれている、水の入ったコップを手に取った。

 口に含んで再びコップを置くと、バタンと上半身をベッドに倒した。

「……」

 薄暗い天井を眺める。

「俺なんか、役に立つのかね」

 ぼそりとつぶやいた。

 集落で暮らし、旅すらした事がなく強いモンスターとも戦った事が無い。

「正直……すげー不安」

 なんで長老は、俺を同行させたんだ? 何の役にも立ちゃしないと思うんだけど。

 ベリルは『そんな事は無い』って言ってくれたけどさ……

「……」