「きょうこさん……絶対無理だってぇ……。」




「生徒会探偵団絶対絶命だな……。」







あたしと陵は翌日、つまり今日、きょうこさんの指令により、目の前にそびえ立つ大きくいかにもお金持ちの家を見ている。














「いくらなんでも、潜入捜査はやりすぎだろ……」




呟くように言った陵の言葉にあたしはただ黙って頷くことしかできない。




















ここはさらちゃんの家。


今からこの家に潜入捜査をすると思うだけで憂鬱になる。














『明日の朝10時から、さらちゃんの事務所の持つスタジオでオーディションをやるらしいよ。』




主に情報収集をするのは七海で、潜入捜査のことをいうと、すぐに調べてくれた。





『なんか、さらちゃんが主演のドラマらしかったんだけど、ほら、いなくなっちゃったでしょ?
だから、社長さんが思いきって主人公とヒロインをオーディションで決めるらしいね。』







『ええか?
相手は企業や。下手したら警察行きや。いくら、特殊捜査課からの捜査協力やからって表向きは俺らはただの高校生や。
そこんとこは気をつけとけ』








勇斗が低く通る声で、あたしに忠告をして、昨日の電話は終わった。










つまり、あたしたちはこの家で調べてから次に、さらちゃんな所属する事務所のオーディションに参加しなければならないのだ。





























「こりゃ、しばらくは学校に戻れないな。」



「ま、そんなもんでしょ。」