中庭には人影は見当たらない。



日当たりのよい中庭にいるのはあたしたちだけ。








「勇斗、一体何するつもりだ?」


やっと口をあけた陵。
2人をみている整った顔は、なにを今おもっているのかわからない。



「安心せぇ。
俺らはただ、長畑さんに聞きたいことがあって呼んだだけや。

別に捕まえたからって煮て食うつもりはないで。」



陵とは対称的に勇斗の表情はけろりとしていた。













「長畑さん。
私たちは、秋野さらの行方を追っていて、まだあなたが隠している事実を見つけたんです。」















───長畑さんが隠している事実!?


彼女は秋野さらの姉の友達だけではなかったの!?


















「私たちが今から言うことは、この事件に関係あるのかわかりません。

ただ、あなたが私たちに隠していたというのは本当のこと。


あなたはこの事をいくらでも私たちに話す機会があった。
だから、あなたに直接聞こうと、2人で決めました。

あなたがそうまでして隠したかった過去。
そこにはなにかあると、考えたんです。」