ユキに包まれているという感覚は、初めて話した日から僕にずっとある。


ユキがそばにいてくれることで、僕はどんどん人間らしくなる。


悲しい、嬉しい、辛い、怖い、美味しい、会いたい、切ない、寒い・・・
 

いろんな感情が豊かになっていく。


僕の話を黙って、「うんうん」って聞いてくれるユキの目を見ると僕は涙が出そうになり、それを何度も我慢した。

「今からでも遅くないんじゃない?」

ユキは、街頭に照らされて、舞台でライトを浴びている女優のように美しく見える。

「後悔してるんでしょ?きっと、ゆうじ君ハルに会いたいと思うよ。」

思いもよらないユキの言葉に、僕は目を大きく見開いた。

もう会わす顔がないと思っていたからだ。

「でも・・・会ってくれるかな。僕のせいで、転校しちゃったんだし。」

僕は自信がなかった。

会ってくれなかった時のショックに耐えれるだけの精神力が備わっていない。