「それでは、今日はお疲れ様でした。次の文化委員は来週の金曜ですので、各クラスで出し物の候補を集めてきてください。それでは解散です。」

僕の頭はこの1時間高速回転しすぎて、熱くなっていた。

この委員会の間、何回春瀬さんを見ただろう。

こっそり見たり、明らかに視線を感じて見たり、目が合ったり、今の僕は全てが春瀬さん一色だった。

「帰るぞ~。」

平常心ぶって、何気なく声をかけるが、内心心臓が飛び出ちゃうかと思うくらい緊張していた。

「あ、うん。まさか教室から一緒に帰るなんて思ってなかった。男の子って照れ屋だから、校門とかで待ってるのかと思った。神宮司君って普通の男子とどこか違うって思ってた。なんか男らしいね。」

「え?いや~そんなそんな。」

ただ、少しでも早く話したかっただけの僕の行動をそんな風に評価されるとくすぐったい。

みんなに少し自慢したかったっていう気持ちもあったかもしれない。

それに、『春瀬さんに手を出すなオーラ』を出したかったのも事実。

男らしさとは程遠い僕の幼稚な考えが恥ずかしくなる。