城門をくぐったそこにはまるで私が来る
のを待っていたかのように、2人の容姿端
麗な侍女が高給そうな、それでいて上品
な着物を着て立っていた。

私の身分ではとてもではないけど着れる
ような物でなく、何より侍女達の気品に
押され、つい後退りしたくなってしまっ
た。

そんな風に呆気にとられていた私を侍女
達が何故かもの凄く冷たい目で見ている
ことに気付いた私は、眉を寄せた。


どうやら私はあまり歓迎されてないみた
いね。


これからの苦労を考えると溜息が出そう
だったが、私はなんとか堪えた。

「よくいらっしゃいました、凛様」

「どうぞこちらへ」

使者の人とはそこで分かれて侍女達に促
されるまま後ろからついていき、一緒に
城の中に入った私は、しかし、どこへ向
かうのかも知らず、


まさかと思うけど、地下牢ではないわよ
ね!?


と冷や汗をかいたが、行きついた先がお
風呂だったときはホッとすると同時に結
構驚いた。

なぜここまで来て湯浴みをしなければな
らないのか分からなかったが、逆らう理
由も特になく、取りあえず中に入った。