今日も1日の研究が終わる。

1つ大きく伸びをすると、俺は白衣を脱いだ。


「あの……川崎さん?」

「ん?」


控えめに俺を呼ぶ声に振り返ると、そこには南さんが立っていた。

いつもと様子が違う。

大丈夫か?こいつ。


「どうかした?」

「ちょっと、聞いてほしいことがあるんです。」

「何?」


研究のこと……、じゃないんだろ?

すぐに話し始めないってことは。


「ここじゃ、ちょっと……。」

「じゃあ、出ようか?」

「はい。」


俺は急いで荷物をまとめると、廊下に出た。

南さんは先に出て、俺を待っていた。


「ここでいい?」

「いや、ちょっと……。」


じゃあ、どこがいいんだ?


「屋上は?」


南さんはコクンと頷く。


「わかった。先に行ってて。」