「マナミさんって、誰?」


この状況で一番先に口を開いたのは、マリだった。

何も知らないマリからしてみれば、別におかしくない質問。

でもここにいる全員、私が佳祐を好きな事を知っている。

だからこそ、誰もマリの問いかけに答える事が出来ずにいるんだ。

誰もが言いづらそうにする中、結局その存在の答えを出したのは私。


「佳祐の彼女だよ」


私の言葉にマリはもちろん、この部屋にいる全員が驚いたように目を見開いた。


"知ってて好きなの?"とでも言いたそうに私を見る彼ら。


そしてそれを確かめるかのように、佳祐の友達の一人、トシと呼ばれる彼が私に言う。


「絵里奈ちゃん、知ってたの?」