この日を境に、私達はよく遊ぶようになった。

単車で出掛けたり、カラオケに行ったり、ボーリングをしたり。


少しずつ、佳祐の事を知っていったんだ。


単車が好きな事。

歌がうまい事。

自己中だけど優しい事。

彼女に一途な事。

寂しがり屋な事。


知れば知る程好きになるばかりで、愛しい想いは増えていく一方。


でも…私の気持ちが変わらないのと同じで、佳祐が彼女を想う気持ちもまた変わらなかった。


私達の距離だって、出会った頃と何一つ変わらない。

手を繋ぐ事もなければ、抱き合う事もなかったんだ。


だけど確実にこの夏、私は誰よりも佳祐の近くに居た。