「佳祐、かわいすぎるんだけど」

「はい、絵里奈ちゃんノロけないで下さい」


マリは私を軽く睨みながら、烏龍茶を飲み干した。


「歌いますか」

「そうしましょ」


私達はそのあと2時間延長し、歌いまくった後カラオケを出た。


「あーっ」


そう言って立ち止まったマリの背中に、私は顔面からぶつかる。


「…いったぁ。ちょっと、何で止ま…」

「今日二回目の激突じゃん」


視線を上げると、カラオケの前で佳祐とその友達が単車にまたがっていた。


「佳祐っ!」

「よぉ」

「やっぱり運命かも…」

「いやいや、勝手に妄想すんなって」


佳祐は、そう言って優しい笑顔を見せる。