ケータイ小説 野いちご

君の瞳に映る色

3.狙われる棗

花壇に花が咲きほこる
一軒の家の前に車は停まった。

レンガ造りの塀は
しっかりとした高さがあるものの
どこか温かみがある。

アンティークな門の奥には
花壇に囲まれた石畳が
家へと続いている。

「ここに来られるのは
久しぶりではないですか?」

先に降りた柊が
ドアを開けながら言う。

棗はそうね、と微笑んだ。

平屋だが普通の家よりは
何倍も広い家の中から
初老の男性が姿を現す。

「おじい様」

棗が小さくお辞儀をする。
柊もそれに合わせて頭を下げた。

「よくきたね、棗。柊も久しぶりだ」

「お元気そうですね、旦那様」

棗の祖父、西園寺暁生は
2人をリビングに通した。




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