寛貴side

栗原の勉強を見てやってる週の金曜日の夜。

栗原ん家のマンション前。


「明日は朝から俺ん家で勉強するぞ。プリント提出まで明日も含めてあと2日だからな」

「えっ、何時から?」

「ん~、そうだな。10時くらいだな」


「え~~!!?早すぎない?もうちょっと、ゆっくりやろうよ」


は?

早いか?


朝6時に起きてる俺にとっては、かなり遅い方だぞ?

「いいや、このペースだと朝からやらないと間に合わない」

「えぇ…。何で…?」

「誰のせいだよ。俺だって色々しねぇといけねぇんだから、早く終わらせるぞ」


マジ誰のせいだよ。

俺には俺の勉強があんだから、本当は早くプリント終わらせねぇと、かなり迷惑。


「…分かった。じゃあ、明日10時に五十嵐君ん家に行くから。送ってくれてありがとね。じゃ、また明日」

「ああ。またな」


栗原はマンションの中に入るまで、俺にずっと手を振りながら歩いてく。


おーい。

危ねぇぞ~。


…あっ、壁にぶつかった。

やっぱバカだな、こいつ。


だが、俺にここまでフレンドリーな女子は初めてだ。

栗原を見ていると、何だかほわ~って感じになる。


何だ?

この、ほわ~って感じは??


栗原をほっとけないってゆーか、気になるってゆーか…。


もしかして俺、、、

栗原のことが″好き″なのか…?


いやいやいや…。


それは、さすがに無いだろう。


あんなバカ…。