梓side


はぁ…。



何で学校ってこんなにダルいんだろう。



何で眠くなる勉強をするのだろう。



数学の先生の授業の声を子守唄として、私は眠りにつく。






「~さ。~はらあずさ!栗原梓(くりはらあずさ)!!」


この声は…。

確か担任・数学の富沢(とみざわ)だ。


富沢は、どこにでもいそうな、眼鏡をかけた中年の男。


何で富沢が私の名前を呼ぶ?



「栗原。授業はもう終わったぞ。お前に1つ忠告しておく。寝てばっかのお前は市内最下位ランクの高校にすら行けないはずだ」


開けたばかりの目をぱちくりしてると、富沢はそう言った。


クラスの視線がこちらに集まり、クスクスと笑い声が聞こえる。


もしかして私、目立っちゃってる?


富沢ぁ…。

最悪…。


私、目立っちゃってるじゃんかぁ…!!