「サッカー部、練習してないなぁ…」 放課後の教室。 窓際の席で、帰る準備をしながら運動場を眺める。 「彩夏【サイカ】、帰ろー」 後ろから、聞きなれた声が私を誘う。 「ごめんー。今日、サッカー部が休みみたいだから、由樹【ユキ】と帰るねー」 「えー。またぁ?いっつもじゃん」 「あ、もう門の所で待ってる!急がなきゃっ!じゃあね~」 「って、聞いてないし…」 私は友達に手を降り、校門へ走った。