桜の花が散り、葉が生い茂る季節になっても、俺はいつもこの木の下に来る。


別に桜の経過を見たいわけじゃない。

待ってる奴がいるから……。


「ナツはいつでもここにいるね」


いつものように、桜の木の後ろから現れたコイツ。


「……アキ」


俺はここでアキを待っている。


アキとはちょうどハルと会った時から一年前に初めてここで会った。

そう、四月に会ったハル。

……卯月とうまくいってるのかちょっと気になるところだな。


「なんでいつも来んの?昼寝のジャマ」

「それなら場所変えればいいでしょ?」


なんだかんだ言いつつ俺はここを離れない。