予定より8日早く出産し予定より早い6日目で私は退院となった。
午前中に退院前の診察をし午後からの退院。
退院の時間にえりなが車で迎えに来てくれたので『ありがとうございました』
とお礼を言い病院を出たのです。
この日から自宅で我が子と2人の生活が始まる喜びとうらはらにシャブの世界の状況が最悪な位に変化していっているとは思いもしなかった。
しかし退院した日にすぐ私は知る事になった。
偶然にも退院した日に先の人や大手業者から携帯が鳴り始めた。
勿論、シャブの話。
私に入る電話はシャブ関係な何か困った時が多く良くいえば頼りにされていて、悪くいえば利用されている都合の良い立場だったのです。
人により電話の話方一つで私には何となく分かる気がした。
確かに色々な先があり大手が入手困難となれば個人業者の自己ルートのラインは強かった。
そこそこ名前の通った大手と有名な個人業者と付き合いが深かった私は、シャブの仕事に関しては両立すればスムーズに話がいき何とか段取りできる自信もあったのです。

しかし出産し母親となった私の気持ちは揺れた。このまま再びシャブの世界での『売人ゆか』として私は有名になるのか!母親として生きていくと決まってるやろ!

しかし私の優柔不断さがシャブの付き合い関係となかなか断ち切る事さえできなかったのです。
鳴る電話に対応し話を聞いてる時点でアウト!
その時点で私は再びシャブ屋として始まっていたのです。
ただ、出産する為に病院に入院しただけという結果になっていってしまったのです。
我が子の寝顔を見ながら私は歯を食いしばっていた。
勿論、自分自身に対する優柔不断さが情けなくはがゆい思いで…