妊婦の体で疲れ果てた私は帰るなり座った状態で寝ていてトイレがしたくなり目が覚めた。
立ち上がると私が座っていた布団のシーツの上に赤い血がついていたのです。
『えっ』
そのまま私はトイレにいった。
トイレットペーパーにもかすかな薄い血がついていたのを確認し出産前のお印が来たと実感した。すぐに出産前の本を開きお印に対して読み始めたのです。
お印が来てもすぐに産まれてくるとは限らない。しかし私は明日中に産まれてくる確信があった。丁度夜中24時を回っていたので、今日中に産まれてくるという事。
24時間以内に我が子と対面できる喜びとうらはらに不安感があった。
正直、一人で出産する事が心細くなっていた。
不安感が込み上げる。
夜中、1時前になり私はえりなにメールをした。『起きたらシーツに血がついててトイレいったらトイレットペーパーにも薄い血がついてたんやけど、これってお印かな』

すぐにえりなからメールがきた。

『多分、お印ですね。でもお印が来てもすぐに陣痛がくるとは限らないんで少し様子みて下さい。不安やったら今からいきましょうか?』

えりなのメールが優しく先輩ママの暖かい言葉でうれしかった。
しかし『大丈夫、ありがとう。えりなの子供は?寝てるやろ?朝、保育園に送っていった後にでも来てくれる?』
『保育園送っていった後やと朝の10時半位になりますけど大丈夫ですか?もし、我慢できなくなったらこのまま起きてるんで連絡下さいね』
『ありがとう』

えりなのメールが私はうれしかった。
自分の出産の様に私のお腹の子供の事、私の事を思って考えてくれているメールの内容が凄く温かい気持ちだった。
…メールの後、私は一人落ち着かない気持ちで寝れなかった。
何を思ったのか、入院セットの中身を確認し始め家の中を掃除していた。ゆっくり動いていたのですが段々とお腹が張っていくのを感じた。
下腹の張りがキツイ。
何ともいえない張りや痛みで冷や汗が出た。
目眩もして立っている事も限界が来た時、えりなのメールから2時間半がたっていたのです。